第1碑 松下幸之助
第2碑 吉田松陰
第3碑 勝海舟
第4碑 坂村真民
第5碑 徳増須磨夫
第6碑 土光敏夫
第7碑 陳渉
第8碑 佐藤一斎
第9碑 伊庭貞剛
第10碑 西郷隆盛
第11碑 安岡正篤
第12碑 土光登美
解説/小野晋也 |
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第1碑 松下幸之助
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和歌山に生まれる。大正期に電灯用の改良ソケット(二又ソケット)を試作し町工場を創立。
松下の五精神(のちに七精神)を制定。個人から法人組織に改組、松下電器産業(株)。終
戦の翌日、幹部社員を集め平和産業への復帰を通じて祖国の再建を呼びかける。昭和21年、
PHP研究所創設、雑誌「PHP」創刊。昭和36年、松下幸之助会長に就任。昭和55年、松下政
経塾を開塾。
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自分には自分に与えられた道がある
天与の尊い道がある
どんな道かは知らないが
他人には歩めない
二度と歩めぬかけがえのないこの道
責任感で成就される
人生は、よく旅にたとえられる。この世に生まれ落ちたその日から、生命を終えるその日まで、毎日毎日続く長い旅である。そして、その道中では、新しい体験を行い、その度に新しい自分を発見してゆく旅である。
その旅の持つ意味は、自分自身で決めてゆくべきものである。道すがら、少しきつい坂道になったり、ぬ
かるんだところに差し掛かると、その道に対して、悪態をつきながら歩む人もいるだろう。一方、疲れ切ってへとへとになりながらも、路傍に咲く小さな花に喜びを覚え、天に感謝を捧げつつ歩む人もいるだろう。そのどちらを選択するかは、道の問題ではなくて、その道を歩む人自身の問題なのだろうと思う。
ならば、各々の人生の旅を、喜びにあふれ、有意義なものとするために、私たちの心の側を見直してゆく事も必要であろう。
人生には、苦しいこともあるだろう。つらいこともあるだろう。途方に暮れてしまうこともあるだろう。しかし、どんなことがあっても、それは、すべて自分の人生。他の人には決して歩めない、また、元に戻って鮎見直すということもできない、そのような天から与えられた自分だけの人生なのである。だから、その尊さを感じながら、自らの心意気によって、努力によって、自らの人生を輝かせてゆくべきではないか。
今の日本には、余りにも否定的な言葉があふれすぎていると思う。親も駄
目、子供も駄目、友だちも駄目、会社も駄目、こんな国も駄
目…そして、駄目駄目と言い続けている内に、“自分自身も駄
目”となってしまい、そんな自分は、生きている値打ちなど少しも無いのだなどと、ちっぽけな世界の中に閉じ篭もり、窒息してゆく人たちが余りにも多くなってきている。
そうじゃない。この世の中のものが、何の意味もなく、何の価値もなく、存在しているはずがないではないか。その対象に意味がないと決めつけているのは、自分自身の気持ちであって、天地自然は、決してそんな狭量
なものじゃないと思う。
どんな時も、人生には意味がある。
なすべきこと、満たすべき意味が与えられている。
この人生のどこかに、
あなたを必要とする“何か”があり、
あなたを必要とする“誰か”がいる。
そしてその“何か”や“誰か”は、
あなたに発見されるのを“待って”いるのである。
(諸富祥彦“生きてゆくことの意味”より)
この松下幸之助氏の言葉を刻んだ第一碑より、「志の道」は始まる。各々が人生を旅する気持ちで、この先約2kmの道を歩いてみて欲しい。そして、1つでも2つでも良い。心の中に響く言葉を、人生という旅の伴侶として、心の中でしっかりと抱きしめて頂きたいと、心から願うものである。
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